
年の瀬が近づくと何かと出費がかさみ、家計のやりくりが厳しくなる季節です。特に北海道では冬の光熱費も重なり、食費を削らざるを得ないと感じているひとり親世帯の方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんな時に頼りになる「フードバンク」の活動について、具体的な利用方法や、2025年〜2026年の年末年始の特別な支援情報を含めて分かりやすくご紹介します。
少しでも困っている方のお力になれますように。


フードバンクとは

フードバンクとは「食料」や「日用品」を預かって、それを「食べ物に困っている人」に無料で渡す活動を指します。多くの場合は企業から「パッケージが少し破れてしまった商品」「印刷ミスがあった商品」「賞味期限が迫っている防災用の備蓄食料」「形が規格外で売れない野菜や果物(曲がったキュウリや大きすぎるトマトなど)」などが特定の団体に寄付され、それが困窮世帯に配付されています。
最近では、イオンなどの大きなスーパーで家庭からも「賞味期限が近い商品」「家庭で食べない食品」などを集める活動(フードドライブ)を行っています。
集められた食べ物は、経済的な理由で毎日の食費に困っているひとり親家庭や十分な食事が取れない子どもたち(子ども食堂など)、病気や失業で生活が苦しくなった人など食料を必要としている人たちに無料で届けられます。
フードバンクはもらう側だけではなく、寄付する側にも食品ロスを減らすメリットがあります。食べ物を捨てることは、もったいないだけでなく、ゴミを燃やす時に出る二酸化炭素を削減することにもつながります。
北海道の「フードバンク」情報
北海道ではいくつかの団体がフードバンク活動を行っています。詳細は以下の通りです。
札幌市主催 年末の生活サポート相談会(食品配布あり)
札幌市では、年末に生活困窮者向けの相談会が開催され、NPO法人フードバンクイコロさっぽろによる食品配布(先着順)も合わせて実施されます。
| 日 時 | 場 所 | 備 考 |
| 12月9日(火)13:00~18:00 | 中央区 チ・カ・ホ 北3条 | 食品配布あり(先着順) |
| 12月11日(木)10:00~15:00 | 白石区 白石区民センター | 食品配布あり(先着順) |
| 12月12日(金)10:00~15:00 | 西区 西区民センター | 食品配布あり(先着順) |
※こちらは「さっぽろ年末生活サポート相談会」の一環です。食品配布以外の出張相談会も開催されていますので、その他の日程や詳細については、フードバンクイコロさっぽろや札幌市の担当窓口にご確認ください。
NPO法人フードバンクイコロさっぽろ(札幌市)
フードバンクイコロさっぽろでは、サンタの100世帯0円マーケットというイベントも開催しています。冬休み子ども応援プロジェクトとして実施しているもので、フードバンクからの小包で給食のない冬休み期間を安心して過ごすことができるお手伝いをするためのもの。小包は12月中旬から下旬にかけて届くとのこと。小包の内容は、・お米・麺類・お菓子・調味料・生理用ナプキンなどです。申し込みの締め切りは12月17日(水)23時まで。詳しくは公式HPをご覧ください。
https://foodbank-ikorsapporo.themedia.jp/posts/58213735
北海道国際交流センター(函館)
北海道国際交流センターでは、2025年より毎月1回、ひとり親世帯に食料・日用品を配布する予定です。対象世帯は50世帯で、事前予約制。北海道国際交流センターのHPから専用フォームでの申し込みになります。予約の締め切りは実施日の1週間前までで、定員に達し次第受付終了となるので、早めの申し込みを!

北海道支援情報ナビ経由 緊急食糧支援
北海道支援情報ナビ経由の緊急食糧支援は、金銭的、家庭的な事情で、緊急的な食糧支援が必要な方に食品セット(100サイズ段ボール1箱分程度)をお届けするというもの。最寄りの相談窓口を通じて食品提供を受けられるしくみになっています。受取方法などについては、基本的には表示された相談支援機関とご相談して受け取ってください。
詳しくは下のURLから申し込みを!
一般社団法人北海道社会問題支援研究所

生活困窮者やひとり親世帯向けに、スーパーや企業から提供された廃棄予定のもったいない食品を、札幌市内で無料配布します。2024年も「さっぽろ年越し支援村」が12月29日、30日の2日間で開催されました。場所は札幌市内3か所でした。一般社団法人北海道社会問題支援研究所は2016年から札幌市のひとり親家庭や高齢世帯など計750世帯に食料などを配付する活動を行っています。
2024年の支援村は両日ともに午前10時~12時まで行われました。場所は、札幌市中央区の印章店「乃巧堂」(南7西12)、西区の「放課後デイ ぱおばぶ」(発寒6の10)、豊平区の個人宅の3か所でした。2025年も同じような活動があると予想されますので、詳しくは
一般社団法人北海道社会問題支援研究所 090ー8639ー2334 か 011ー512ー2885 に直接お問い合わせください。
フードバンクゆめみ~るの支援
「フードバンクゆめみ~る」は登別市、室蘭市に限定して活動を行っています。また、フードバンクゆめみ~るは子どもの食支援に加えて「子どもの居場所つくり」活動、子ども食堂と連携した「学習支援」活動の実施を基本方針としています。現在、絆ネットワークには登別市、室蘭市でひとり親世帯を中心として352人の保護者さんと650人を超える子どもの登録があるそう。HPには「急な出費などに食費を使ったなど食事への不安や心配を感じたときは食材SOSにメールや電話でご連絡してください。」とあるので、この地域にお住みの方は利用してみてください。詳しくは公式HPを。

NPO法人フードバンクネットワークもったいないわ千歳(千歳市)
毎週水曜日もしくは第3土曜日(10時~13時)に千歳市幸町の事務所『1丁目テラス』まで受け取りに来れる人に配付を行っています。※毎週水曜日の支援は基本、生活保護および各種年金受給者は、お断りしています。
※毎月第3土曜日の支援(市民生活応援フードパントリー)は、予約すれば誰でも受給可能です。詳細はFacebook
わかちあい釧路実行委員会(釧路)
原則毎月第三土曜日午後2時より、月1度の「わかちあい釧路」の開催(食料や生活必需品の無料配布)、その他、配布型支援として数か所に物資を届けています。
札幌市生活就労支援センター
フードバンクの支援は、行政の福祉窓口(お住まいの区の保健福祉課や社会福祉協議会など)と連携しているケースが多いです。もし、生活全般について困っていることがあれば、まずは地域の福祉窓口に相談することで、フードバンク以外の包括的な支援も受けられる可能性があります。
生活困窮者自立支援制度 – 北海道千歳市公式ホームページ – City of Chitose
自立サポートセンター – 社会福祉法人 旭川市社会福祉協議会
おわりに
生活のことで悩んだり、食費のやりくりに苦労したりするのは、決してあなたの責任ではありません。フードバンクは、「もったいない」を「ありがとう」に変える、地域社会の大切なセーフティネットです。ぜひ、この年末年始を乗り切るために、遠慮なく地域の支援を活用してください。あなたの頑張りを、地域全体で支えていきたいと心から願っています。

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