大阪万博「超法規的措置」とは?2025年の開催まで間に合うのでしょうか

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2023年10月10日、大阪万博の「超法規的措置」についてニュースになっていました。これは、自民党の大阪・関西万博推進本部が開かれた際に、万博パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外とするよう求める意見が上がったため。会議の中では「人繰りが非常に厳しくなる。超法規的な取り扱いが出来ないのか。工期が短縮できる可能性もある」「災害だと思えばいい」といった意見が出たといいます。

これまでも同様の要望が、主催する日本国際博覧会協会も政府に求めたことがあり、建設業界などから批判を浴びた経緯があります。

目次

なぜ「超法規的措置」が必要なのか

2025年開催の大阪万博のパビリオン建設が遅れているそうです。大阪万博の大きな目玉は、世界各国が文化や技術を発信する拠点「海外パビリオン」です。2020年のドバイ万博でも、来場者は各国がこだわった独創的なデザインに魅了されました。現地を視察した大阪府の吉村知事も「万博の華」となる「海外パビリオン」に大きな期待を寄せているそうです。

しかし9月の段階で「海外パビリオン」の建設をはじめている国は0でした。岸田首相もこの状況に「海外パビリオンの建設について楽観できる状況にはありません。極めて厳しい状況に置かれている」と発言しています。

では、なぜこんなにも工事が進んでいないのでしょうか。

その背景には、建設資材の高騰や人手不足があります。それに加えてドバイ万博がコロナの感染拡大で1年延期されたため、通常の万博よりも工事期間が短く、建設業者が工事の受注をためらっているという現状があるそうです。

そして追い打ちをかけるのが「2024年問題」です。

2024年問題と大阪万博

建設業界の「2024年問題」をご存じでしょうか。建築業界の労働環境を改善するため、長時間労働の上限に規制がかかるようになります。これが2024年度から適用されることになっています。昔の日本のように夜通しでの作業はできなくなるということです。2025年開催の大阪万博はこの影響を受けると考えられています。

さらに開催地である大阪・夢洲へのアクセスの悪さが追い打ちをかけると見られています。夢洲へのアクセスは橋とトンネルのみ。開催時期の近くになって、一斉に工事が始まると工事車両による渋滞や混雑が起きる可能性が懸念されています。もし建設が始まったとしても、2025年の開幕に間に合うという保証はありません。

そのため政府や主催団体が「超法規的措置」を求めているのです。

大阪万博は2025年4月開催予定

正式には「大阪・関西万博」ですが、開催場所が大阪の夢洲(ゆめしま)のため「大阪万博」と表現されることが一般的なようです。

開催時期は、

2025年4月13日(日)から10月13日(月)までの184日間。

テーマ

今回の万博のテーマは「いのち輝く 未来社会のデザイン」です。サブテーマとして

「Saving Lives(いのちを救う)」

「Empowering Lives(いのちに力を与える)」

「Connecting Lives(いのちをつなぐ)」

が掲げられています。

開催目的

万博の開催は、経済発展をもたらします。1970年に開催された「大阪万博」では、日本の高度経済成長をもたらしました。

今回2025年の大阪万博では「SDGs達成への貢献」「日本の国家戦略Society5.0の実現」が目指されています。

公式HPによると”日本の国家戦略「Society 5.0」 とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会です。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たな社会を指します。

IoT(物のインターネット)、AI(人工知能)、ロボティクス、ビッグデータ、バイオテクノロジーといった技術により様々な地球規模の課題が解決される社会は、SDGsが達成された社会でもあります。”

と目標について掲げられています。

万博とは世界中から人やモノが集まるイベント

万博とは「万国博覧会」の略で、「国際博覧会条約」を簡単にすると、

・2つ以上の国が参加したもの

・公衆の教育を主たる目的とする催し

・文明のために利用できる手段や人類の活動の進歩や将来の展望を示すもの

とあります。

つまり万博とは、現代の差し迫った課題の解決策を見つけることに専念する国々が集まる世界的な会合をいいます。万博は数千万人の来場者を歓迎し、各国が素晴らしいパビリ​​オンを建設し、開催都市を今後何年にもわたって変革することを可能にする博覧会なのです。

日本で初めて開かれた万博は1970年の大阪万博です。岡本太郎さんがデザインしたシンボルタワー「太陽の塔」はとても有名ですよね。実はパリにあるエッフェル塔も「パリ万博(1889年)」のときに建設されたものなのです。

園芸博というものもありますが、今回はそれを含まない形での紹介をしていきたいと思います。

万博の歴史

1851年「ロンドン万博」から始まります。当時25か国が参加しました。1851年は日本でいうと江戸時代です。ペリーがやってくる2年ほど前ということになります。日本がはじめて万博に出展したのは1867年の「パリ万博」から。そのころ万博は1年に何か所も開催されていました。現在のように「国際博覧会条例」をもとに開催されるようになったのは、1928年からでした。

過去の万博

1928年から現在まで、どのような国で万博が開催されていたかまとめてみました。

  • 1929年 バルセロナ
  • 1933年 シカゴ
  • 1935年 ブリュッセル
  • 1937年 パリ
  • 1939年 ニューヨーク
  • 1949年 ポルトープランス
  • 1958年 ブリュッセル
  • 1962年 シアトル
  • 1964年 ニューヨーク
  • 1967年 モントリオール
  • 1970年 大阪
  • 1974年 スポーケン
  • 1975年 沖縄
  • 1982年 ノックスビル
  • 1984年 ニューオーリンズ
  • 1985年 筑波
  • 1986年 バンクーバー
  • 1988年 ブリスベン
  • 1990年 大阪
  • 1992年 セビリア
  • 1992年 ジェノア
  • 1993年 韓国(テジョン)
  • 1998年 リスボン
  • 2000年 ハノーバー
  • 2005年 愛知
  • 2008年 サラゴサ
  • 2010年 上海
  • 2015年 ミラノ
  • 2020年 ドバイ
  • 2025年 大阪

基本的に大きな万博は「5年に1度」開催され、期間は最長6か月です。

2020年に開催されたドバイの規模が最大で、438ヘクタール規模でした。

大阪万博は開催まで間に合うのか

建築業界の人材不足や資材不足、2024年問題。果たして2025年の大阪万博は無事に開催されるのでしょうか。そして「超法規的措置」に代わるような方法があるのでしょうか。2025年4月の開催まであと1年半ほど。

これからも万博のニュースから目が離せません。

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