卒業シーズンが近づくといつも過去の卒業生のことや卒業式のことが思い出されます。今回このテーマで記事を書こうと思ったのは、自分が昨年「保護者の立場」として「担任の先生に何をすべきか」を考えた経験があるからです。息子の保育園には「保護者会」のようなものはなく、PTA活動というものも一切ありませんでした。毎年有志でお母さん方が声を掛け合って担任の先生へのセレモニーを考えているとのこと。そのため息子の卒園も、兄弟児がいるお母さんたちが音頭をとってくれるだろうと思っていたのです。
しかし、待てど暮らせどそのような動きは全くなく。これはまずいと思い「もらう側の経験もあるし、やるしかないか」という気持ちで一念発起。息子が5年間お世話になった保育園の卒園が近づいたころ、クリスマス会があったので保護者の方々に私の連絡先を書いたお手紙を渡しました。そこからLINEグループを作り、相談を開始。みなさんとても協力してくれて何とか無事に卒園式を迎えられたのです。
具体的に私がどんなことをしたのか、また教員時代はどんなことをしていただいたか、2つの視点で記事を書きたいと思います。少しでも参考になれば幸いです。
教員時代、卒業式でもらったサプライズプレゼント
私は17年間の教員生活の中で、担任としては4回の卒業式を経験しました。一番驚いたのは「DVD」のプレゼントです。これをもらったのは初任のときに送り出した生徒たちの卒業式の日でした。卒業式後の学活で急に「先生、ちょっと座ってください」と言われ、DVDが再生されました。そこには私が知らないうちに撮られていた教室の日常風景や、行事での生徒の姿、最後には生徒一人一人からのメッセージまでありました。協力者はそのときの副担任の先生だったそうで、生徒に頼まれてこっそり撮影していたのだとか。そしてそれを結婚式場で勤務されている保護者の方がDVD化してくれたのでした。何も知らなかったのでとても驚いたのを覚えています。それと同時に「そんなに前からこの日のために準備をしてくれていたんだ」と嬉しい気持ちにもなりました。さらに生徒たちが好きな曲を集めたCDもプレゼントしてくれて、これは卒業式後もしばらく車の中で聴いていました。私の似顔絵を描いた表紙に、全員からのメッセージを綴じ込んだアルバムや、お花もいただきました。
そこで、これまでもらった卒業式でのプレゼントをご紹介したいと思います。実物だと名前が入っていたりと困ることが多いので、実物の写真はつけられませんが似たようなものとご理解ください。
メッセージカードや手紙
これは卒業担任のときはいつもいただいていました。学級の代表生徒がこっそりみんなに呼びかけてくれているようです。色紙でもらったこともありますが、A4サイズの紙に書いたものをファイルに綴じてくれていたり、カードサイズのものに穴をあけてリングでまとめてくれたりしていました。ひとりひとりからのメッセージはとてもうれしいものです。多感な思春期の男子が「先生ありがとう」と素直に書いてくれているのを見ると、とにかく応援したくなります。おしゃべり好きな女子のカードはとってもにぎやかなものが多く、プリクラが貼ってあったりと、見ているだけでほっこりします。今でも読み返すと、そのときの生徒の様子がありありと目に浮かぶから不思議です。
花束
お別れの場面で、どこに隠していたのか「花束」が出てくることも常でした。保護者の方が用意してくれることもありませしたが、生徒が自分たちでお金を集めて買ってきていたこともありました。卒業式前の何気ない授業の中で「1人100円ずつでも集めて花束でも送りなさいよ、私に!」と冗談でいったら、すでに進められていたプランだったらしく教室中が一瞬「しーん」となったことがあったのを思い出します。あのときは知らなかったとはいえ申し訳ありませんでした。あの後からは「卒業式前に、生徒にサプライズの話はしてはいけない」ことを知りました。そしてもし気づいたとしても「知らないふりをすること」も。
ドライフラワーやブリザードフラワーのプレゼント
これは退職するときに出した卒業生の保護者の方からいただいたのですが、とても綺麗で、しかもずっと飾っておけて思い出せるのでおすすめのプレゼントとしてご紹介させてください。実は別の生徒からもたまたま同じようなドライフラワーをもらったのですが、流行りなのでしょうか。私は詳しくはないのですが、手に平に乗るサイズで、そのさりげなさや可愛さにハマってしまい、もし自分が次に「あげる立場」になったら差し上げたいと思っています。
マッサージ機をいただいたことも!
これもびっくりしたのですが、デスクワークの多い仕事ですのでとっても嬉しかったのを覚えています。すぐに職員室のイスにセットして使用していました。
靴下やエプロンなどの実用品
給食の配膳でも毎日つけているエプロンなら、担任の先生の好みもわかって用意しやすいですよね。そういう理由か、汚れていて見るに堪えなかったのか、エプロンをいただいたこともありました。いつも使っているようなエプロンを選んでくれたおかげで、次の年から新調したエプロンで新一年生を迎えることができませんでした。
靴下をプレゼントしてくれた生徒もいました。足がにおっていたのかしら?
歌のプレゼントは号泣
合唱コンクールで歌った曲だったり、新たにこっそりみんなで練習してくれた曲だったり。とにかく「歌」のサプライズは泣けました。きれいにメイクしていてもぐちゃぐちゃです。生徒も泣きながら歌うもんだから、本当に涙涙のお別れになったことを思い出して、今、泣きそうです。
保育園の卒園式では花を一輪ずつ用意
今度は「サプライズをする側」になったときのお話です。保育園の卒園式では、クラスの子どもの人数分の一輪花を用意しました。先に子どもに伝えると担任の先生に言ってしまう可能性があったので、グループLINEで親だけの確認事項としておきました。卒園式も終わるか、というときに「ちょっと待った~」をかけて園児を集めて「先生に一人ずつあげてきてね」といって渡しました。担任の先生は一人ずつ受け取りながら声をかけてくださり、なみだなみだの瞬間となりました。花束にすると誰か1人からしか渡せないので、ちょうどよかったと思っています。一輪だいたい200円前後で購入できました。
本当はアルバムもお渡ししたかったのですが、グループLINEに1名だけ参加していただけないご家庭があり、その子のページだけないのはちょっと・・・と考え断念しました。本当は↓のような子供1人ひとりのページを作ったアルバムを担任の先生に送りたかったのですが。
保育園にはおもちゃを寄贈
お世話になった保育園には、在園児が使えるおもちゃを買いました。これは事前に保育園側に要望をお聞きしました。すでにあるものだったり、保育園の方針と合わないものを送らないようにです。
卒園式の前にお渡ししたので「寄贈」という形で飾っていただけて、式の中でも紹介してくれたので保護者全員の気持ち的にもよかったと思います。
気持ちだけで十分
いろいろ書いてきましたが、サプライズプレゼントはもちろん義務ではありません。教員時代も特に期待していたということはありません。なかったからといって悲しむものでもありません。
「ありがとう」の気持ちを形にしたいという人に向けたものであって、参考程度に見ていただきたい内容です。難しく考えすぎず、思った方法で感謝の気持ちを伝えるとよいと思います。
とはいえ私が保育園の先生に「卒園式でのプレゼント」を考えだしてから、たくさん検索しました。義務ではないにしても慣例として残っている以上「今年はないのか」と思われるのも、思わせてしまうのも心苦しいもの。
私の経験が同じ悩みをもつどこかの誰かのお役に立てますよう、心から願っております。
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