息子が小学校に入学して約半年が経過しました。ということは、私が退職して半年が経過したことになります。
その間に「退職しておいてよかった」と思う場面が多々ありました。仕事を続けながらでも乗り越えるママさんたちはたくさんいますが、「こりゃ、わたしには無理だったぞ・・・」と毎日思うのです。
小1の壁を前に「退職」を迷っているお母さんたちはたくさんいると思います。わたしが感じたことを共有することで、何か少しでも参考になればと思い今回は記事にしようと思います。
※あくまでもわたしの主観ですので、「退職」を勧めるものではありません。
登校しぶりがはじまった
今現在はかろうじて休まずに学校に行っていますが、一時は「不登校になるのでは?」と思うくらい登校しぶり&欠席をしていました。
入学当初は順調だった
もともと息子は保育園へも嫌々通っていました。4歳頃まではお別れするときに泣いていましたし、「明日も保育園行かなくちゃいけないの?」と毎晩聞いてきました。休みのたびに嬉しそうにしますし、「あと何回いったら保育園休み?」と卒園するまで聞かれていました。
そんな息子ですから、小学校に馴染むのも時間がかかるだろうなと覚悟していました。しかしこちらの予想に反して入学当初はすんなりと学校に行っていました。
理由は簡単です。
「保育園よりも拘束時間が短いから」
息子は「15時前に家に帰って来れるなんてラッキー」と言っていました。保育園は朝7時すぎに預けて、早くて17時すぎのお迎えでしたから。しかも彼の中で大きかったのは、
「学童にも行かずに済む」
ということでした。ここで1つ「退職しておいて良かった」と思いました。
その後も1学期のうちは文句は言いつつも、毎日休まず学校へ登校していました。
このまま小学校生活が続けばいいな~なんて思っていたのですが、そんな思いを打ち砕く2学期がやってくるのです。
魔の2学期
教員時代も感じていましたが、不登校になりやすいタイミングは「GW後」「2学期のはじめ」です。進級して間もなくはみんな頑張るのですが、GW後にガタっと崩れる生徒は多いです。そして、子どもの自殺が多い9月1日は2学期のはじまりの日。わたしの住む北海道は8月の下旬に学校がはじまります。
もれなく息子もこの2学期のはじめから「登校しぶり」がはじまりました。きっかけは暑さでした。北海道も8月は驚くくらいの暑さ。連日の猛暑。夏休み中はその猛暑の中でも公園に行ったり、海へ行ったりしていた息子。特別暑さに弱いわけではありません。折しも始業式の次の日、北海道の伊達市で小学2年生の女の子が熱中症で亡くなりました。これがきっかけで家や学校では「体調が悪かったら我慢せずにすぐに言うこと」という指導が徹底されたのです。
息子は学校が嫌いです。いじめられているわけでも、友達がいないわけでも、勉強ができないわけでもありません。ただ「保健室」という逃げ場を見つけてしまったのです。この暑さのせいで「頭が痛い」「ちょっと具合が悪い」と言えば、先生は無条件で保健室へ行かせてくれます。先生が悪いわけではありません。わたしが教師時代も保健室へ行かせていましたから、そこを責めるつもりは一切なく。ただ、息子が「覚えてしまった」という感覚を持ちました。
そして養護教諭の先生から毎日「迎えに来れますか?」と電話が来るようになりました。ここでも「退職しておいてよかった~」と思いました。仕事をしていたら対応できなかったと思います。迎えに行くと本当に具合悪そうにしているんですよ(笑)
家に着くと元気いっぱい。本人に「本当に具合悪かったの?」と聞くと「頭痛かったけど、エアコンのある家にいたら治った」と。
北海道の学校にも早くエアコンをつけてほしいです。
そうして「早退」という技を身に付けた息子は、その技を惜しまず毎日繰り出してきました。最初こそ心配しましたが、だんだんと「あ、仮病だな」と思うようになりました。やがて「学校行きたくない。休みたい」と毎朝泣くように。
試しに欠席させてみたら
あまりにも毎日毎日泣くため、こちらのメンタルもすり減り、ある日思い切って「じゃあ、休んでみる?」と声をかけました。嬉しそうなあの顔。忘れません。「その代わり、みんなが勉強している時間は自分も勉強すること。ゲームは下校時間から」という約束にして。何日かはそれで息子もやっていましたが、結局暇になるんですよね(笑)
そうこうしているうちに担任の先生から「給食から来てみるのはどう?」とか「放課後先生とお話に来れる?」などの声がけをいただきました。
押しに弱い息子は「じゃあ、給食から行こうかな」ということが増え、何となく朝から行ける日も増えてきました。それをチャンスに週末のおでかけが大好きな息子に「学校休んでるのに、おでかけするのはちょっとね~」と声をかけはじめました。
暑さも落ち着いて逃げ道がなくなったのか、それ以降は毎日学校へ通っています。
結局始業式から1か月ほど「登校しぶり」が続きました。
登校しぶりから不登校になるのでは、という不安
登校しぶりがはじまり「学校に行きたくないな~」というようになったとき、休ませるべきか頑張って行かせるべきかとても悩みますよね。教員経験のあるわたしも、実の息子となるとやはり不安でした。ただ現場の経験から、1つだけ言えることがあります。
生活習慣が大きな鍵
不登校生徒の担任だった経験として「生活習慣が乱れていない子は、復帰するのも早い」というのが実感としてありました。不登校の生徒に多いのは「生活習慣の乱れ」です。欠席がちになるきっかけは「友人関係」だったり、「学力不振」だったりとさまざまですが、結局長期の不登校になる生徒の多くは生活が乱れています。スマホやゲームに没頭し、昼夜逆転の生活を送る。そうなると家庭でも会話が減り、居場所がなくなってきます。たとえ本人に登校の意欲が湧いてきても、「朝起きられない」「学校に行っても授業中居眠りをする」「結果、授業についていけなくなりまた意欲が減退する」「睡眠不足でイライラする」など、悪循環が続いてしまいます。
なのでわたしは、息子が欠席するときにこころがけていたのは「生活リズムは絶対に崩さないこと」でした。いつも通りに起きて、勉強させて、会話して、一緒にお昼ご飯を食べて、という生活さえしていれば、いつかは「学校に行くわ」と言い出すと確信していました。幸い1か月ほどでその生活は終わりましたが、大変だったことは確かです。
在宅とはいえ仕事をしていますし、「ずーっとこのままでは?」という不安ももちろんありました。だから上手な声かけをしてくださった担任の先生にはとても感謝しています。
絶対に学校の助けを借りるべき
息子が担任の先生の誘いで学校に行きだしたのがいい例だと思いますが、家族からの言葉より他人の言葉の方がよく効くことがあります。特に子どもは「担任の先生には嫌われたくない」と思っているもの。家族では甘えが出てしまいます。あれ?っと思ったときは絶対にすぐに学校に相談すべきだと思います。早めに伝えればそれだけ早い解決につながると思います。
登校しぶり以外で「退職していてよかった」と感じる瞬間
これまでは「登校しぶり」の対応で「退職しておいてよかった」の場面を書いてきましたが、それ以外でも「退職してなかったら大変だったかも」の瞬間があるのでご紹介します。
家庭で用意するものが多すぎる
「図工でどんぐりを使うので、煮沸して、穴をあけておいてください」「箱を使って飾り付けをするので、モールやリボンを用意しておいてください」「体育帽のあごひもを付け替えておいてください」
いきなりは無理です!と心の中で何回叫んだことか。保育園は「働く親」を支えるシステムだったので、用意するとしても「空き箱を1つお願いします」程度だったのに、小学校に上がった瞬間、とんでもなく家庭での負担は増えました。授業で使うとなると是が非でも用意しなくてはならないですよね。しかもこのご時世のせいなのか、忘れてきた子に貸すのはNGなんだとか。こんなに材料集めに奔走するとは思っていませんでした。急に「新聞紙必要だって」とか言われても、うちは新聞とってませんけどー!って慌ててました。
これは働いていたら結構大変だぞ、といつも思っています。ワーママさん、本当にいつもご苦労様です。
宿題ってこんなにひとりでできないもの!?
これはわが息子だけなのかもしれませんが。うちは帰宅したら、遊ぶ前に宿題をするというルールです。一緒に宿題をみてあげています。←これをするために辞めたようなところもあります。
まー、集中しません。プリントに名前を書いたと思ったら、何か違うことしてる。1問解くたびにぐるぐるお絵描き…。「〇+〇って△であってる?」「宿題ってなんであるの?」何回聞かれたことか。
学童の先生はこれに全員分対応してるってことですよね。すごい!
でもこの時間もそんなに長くは続かないんだよな~、高学年になったら「ほっといて」なんて言われるんだろうな、と思って付き合ってます。
平日の行事が多すぎる
保育園の行事は基本的に土曜日でした。幼稚園は違うのかなと思いますが。かろうじて運動会が土曜日でしたが、あとは全て平日。その運動会も雨で一部プログラムが平日開催になり、夫は見ることができませんでした。ワーママさんはどうしているのでしょうか。年休なくなっちゃうよ!と思っています。
これまであった行事は、参観日が3回、懇談会が2回、教育相談が1回、ボランティアの活動がとにかくたくさん。小学校1年生のうちは心配で、学校での子どもの様子を少しでも知りたいと全て参加しましたが、これも「退職しているからできること」でした。
子どもと余裕をもって向き合えることが一番
登校しぶりの件で一番感じたことは、余裕をもって接することの大切さです。それは子どもにとってというより「自分のため」が大きいかと思います。わたしは余裕がなくなるとイライラして家族に優しくできない欠点があります。現役で教師をしているとき、よくありました。今回息子に「休んでもいいよ」と心置きなくいえたことや、「わかった図工の準備しておくね」と笑顔で言えたことは、ひとえに「仕事の心配をしなくていい」からです。そしてそんな自分に満足しています。両立して上手く処理できる人はたくさんいますが、私はとにかく「こんな自分嫌いだ」と思わなくていいという点で、辞めて良かったと思っています。
同時に思っていることは「小学1年生が山だな」ということです。「小1の壁」とはよく言ったもので、実感として「これさえ登っちゃえばいける気がする!」という気持ちがあります。だからもしかしたら来年の今頃はもう一度試験を受けて、教師復帰しているかもしれません。それくらい最近は余裕が生まれてきました。
1年だけ辞めることができる状況の人だったら、絶対に辞めるべき!と言うかもしれません。でも多くの人はそうはいきませんよね。しかも私が大変だと感じたことでも、人によっては「なんだ、それくらいか。全然仕事と両立できるわ!」という人だっているはずです。
だから私のこの経験が少しでも参考になればと思っています。
最後まで読んで下さってありがとうございました!
したっけ、またね!
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