【保存版】三者面談や懇談で「信頼」を勝ち取る話し方の黄金ルール7選と保護者が喜ぶ雑談ネタ

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三者面談のシーズンがやってきました。先生方にとって、保護者の方とじっくり向き合える貴重な機会である一方「何をどう話せばいいのか」「信頼関係を築けるか不安」と感じている先生方も多いのではないでしょうか。

ご安心ください!

この記事では元中学校教師の筆者が、保護者との壁をなくし「この先生に任せたい」と思ってもらえる信頼を築くための「話し方の黄金ルール」を、具体的なアクションプランに落とし込んで解説します。

この7つのルールを実践し、面談を成功させて、保護者と先生が手を取り合う最高のチームを作りましょう!

目次

面談は「聴く」姿勢で8割を占めるべし

面談の目的は、先生からの「報告」や「指導」だけではありません。保護者や生徒の「思い」や「願い」を共有する場としても利用すべきだと思います。筆者が現役教師のとき、生徒から懇談前によく聞かれていたことがあります。それは「怒られますか?」という質問です。おそらくその生徒は懇談の場=怒られる場となってしまっていたのでしょう。教師の側も、普段注意できないことや親に知ってほしい(特に悪いこと)を懇談で伝えようとしがちです。もちろん、伝えることは必要です。しかし、それが懇談の場である必要があるのかどうか。保護者にとっても懇談の場=自分の子どもの悪事を伝えられる場になってしまっては、最初から構えて来られます。お互いに「負の感情」をもっていては、友好な関係を築くのが難しくなってしまいます。

まずは「受容・共感」からはじめてみませんか?話す:聴く=2:8を意識し、先生は聞く側に徹しましょう。保護者や生徒の話は遮らず、最後まで丁寧に聞き取ります。「そう思っていらっしゃるのですね」「その不安、よくわかります」と、まずは相手の気持ちを受け止め、共感する一言を添えるだけで、壁は一気に下がります。大切な話はそれからでも良いと思うのです。

必ず「長所」から具体的に話す

いきなり成績や問題点から入るのはNG。最初に子どもの良い面や、成長した点を伝え、安心感とポジティブな雰囲気を作りましょう。実践のポイントはエピソードや資料で裏付けをすることです。「〇〇さんは真面目です」といった抽象的な表現ではなく、具体的なエピソードを添えましょう。「先日、誰も手が上がらない時に、最初に自ら質問に答えようとチャレンジしてくれました。クラスの良いムードを作っています。」など、クラスにとってどういう存在なのかは保護者が気にしている点であると感じます。実際、筆者も親となって自分の子の面談に出席していますが、やはりその点は気になります。

良いことだけではなく、改善点などを話すときもノートや作品、テスト用紙など、話の根拠となる具体的な資料を見せながら話すと、説得力が格段に増します。保護者が嫌うのは「先生の主観で我が子が嫌われている」と感じること。そうならないためにも、目で見えるものを用意することは面談をスムーズに進めるために有効でしょう。

改善点は「協働」の言葉で提案する

課題や問題点を伝える際は、非難や批判にならないよう「チームで協力して解決する」という姿勢を示すことが最も重要です。実践のポイントは主語を「私たち」に変えること。「お子さんが…できていません」ではなく、「私たちが一緒になって、このようにサポートしていきましょう」と、主語を「私たち」に変え、「一緒に」という言葉で協働関係を強調しましょう。「家で◯◯するようにしてください」など、親に丸投げするような言葉を使うと「見放された」「わかってもらえない」「できるならすでにしている」と反感をかってしまうことがあるからです。

問題点を指摘するだけでなく「学校での具体的なサポート策」と「ご家庭へのお願い(協力依頼)」をセットで提案することで「一緒に戦いましょう」という雰囲気を作るとあとあとの関係も良好でいられます。

「他者比較」は絶対にしない

子どもの面談で、他の生徒や兄弟姉妹の話を出すのはご法度です。保護者は自分の子どものことだけを知りたいと思っています。稀に「兄のときは」「姉のときは」と保護者の方から比較するような話が出ることがあります。そんなときは「立派なお兄さんなんですね。しかし◯◯さんもこんな良いところがあります」と話を変えるようにするといいです。少なくても生徒の側は「先生はしっかりと自分を見てくれている」と安心感をもつはずです。

比較するとすれば「半年前の〇〇さんと比べて、ここが大きく成長しました」というように、「過去の自分」との比較で子どもの成長を伝えると、保護者も納得し、前向きな気持ちになれます。

専門用語・略語は避ける

教育現場で日常的に使っている専門用語や略語(例:GIGA端末、学習指導要領、〇〇アセスメントなど)は、保護者に疎外感を与えたり、正しく伝わらなかったりする場合があります。保護者が話の内容を理解できないと感じると「先生の話についていけない」「専門的すぎて難しい」と感じ、心理的な距離が生まれます。また、専門用語で説明された場合、保護者は家庭で「何をすればいいのか」という具体的な行動に落とし込むことが難しくなります。

さらに少しいじわるな事態を想定すると「先生がわざと難しい言葉を使っている」あるいは「保護者に理解させようと努めていない」という印象を与えかねません。結果的に信頼関係の構築を妨げてしまいます。

専門用語の多用は、教師が意図した内容が正確に伝わらず、家庭で誤った認識や対応につながってしまうリスクもあります。また、内容が理解できないまま面談が進むと、保護者は「こんなことも知らないのかと思われたくない」という気持ちから、質問を躊躇してしまいます。そうすると保護者が抱える本当の不安や疑問が解消されず、教師からの一方的な情報伝達で面談が終了してしまいます。保護者が本当に求めている情報や、家庭での協力体制を築くための重要な対話の機会を逃すことになり、子どもの成長に向けた学校と家庭の連携が弱まってしまいます。

そのため、専門用語は使わないか必ずわかりやすい言葉に言い換えるようにしましょう。また、曖昧な言葉を使わず、常に具体的かつ平易な表現で話すことを心がけましょう。

目標設定は生徒本人の言葉で確認する

面談の終わりには、必ず「今後の目標」を共有します。この目標は、教師や保護者から押し付けられたものであってはいけません。実践ポイントは生徒の言葉で「宣言」してもらうことです。生徒本人に「面談を受けて、これから学校で頑張りたいことは何ですか?」と質問し、生徒自身の言葉で目標を言ってもらう場を作ります。教師と保護者は、その目標達成に向けて応援し、協力するという役割を再確認しましょう。

余談ですが、筆者の知っている三者面談が苦手な先生。面談の最初に「今学期の反省と来学期に向けての目標」を生徒に話させることから始めていました。思春期に入り家ではほとんど口をきかないというご家庭は「子どもが話す姿を久しぶりに見た」と感動されるとか。

苦手な方はこの作戦もいいかもしれませんね。

座る位置にも配慮する

面談での物理的な配置は、心理的な距離感に大きく影響します。教師が保護者と対立しているように見えないよう、座席にも工夫をしましょう。実践のポイントは、対立ではなく「協働の配置」にという点です。教師と保護者が、机を挟んで正面から向かい合うという配置は避けるといいでしょう。斜め向かいや、少しずらした配置にすることで「あなたと私は、同じ方向(=子どもの成長)を見ている協力者ですよ」というメッセージを無意識のうちに伝えることができます。ちなみに筆者の子どもの二者面談は下のような配置でした。

資料の関係で対面せざる得ないこともあるかと思います。あまり席の配置は気にしすぎることはないように感じます。

三者面談を成功させる「話し出しのコツ」4選

三者面談(懇談)の話し出しは、その後の面談全体の雰囲気と保護者との信頼関係を決定づける非常に重要な瞬間です。プロの教師やカウンセラーが実践する、スムーズかつ信頼感を築くための「話し出しのコツ」を4つご紹介します。

緊張を和らげる「雑談」から入る

面談開始直後は、保護者も生徒も緊張しています。いきなり本題に入らず、学校外の安心できる話題から入ると、一気に場の空気が和みます。例えば「今日は随分と冷え込みましたが、ご自宅から学校までは遠くなかったですか?」(天候や移動に関する配慮)や、「〇〇さん(生徒名)、この前の休み時間に楽しそうに話していたね。最近ハマっていることとかあるの?」(生徒に話を振ることで、生徒の緊張もほぐす)など。

面談の「ゴール」と「流れ」を最初に伝える

何のために面談を行うのか、今日はどんな話をするのかを明確に伝えることで、保護者は安心して話を聞き、時間を意識して協力してくれます。例えば「本日は限られた時間ですが、まずはお子さんの学校での良い点をお伝えし、その上で今後の課題と、一緒に協力してできることを話し合いたいと思います。最後に、〇〇さん(生徒名)の今後の目標を共有できれば嬉しいです。」 (→ これで、面談の目的が「建設的な協力」であることを伝えます)

「感謝」と「安心」の言葉を真っ先に伝える

面談の最初に、生徒と保護者への感謝や肯定的な評価を伝えることで、面談全体がポジティブなトーンで始まります。例えば「お父様、お母様、いつも学校の活動にご理解ご協力いただき、本当にありがとうございます。」(保護者への感謝)、「〇〇さん(生徒名)は、この1学期間で、特に課題提出の丁寧さが目立って素晴らしかったです。安心して学校生活を送っていますので、ご安心ください。」(具体的な長所と、保護者への安心メッセージ)など。

「聴く姿勢」から面談を始める

教師が一方的に話し始めるのではなく、まず保護者側の意見や気持ちを尋ねることで「あなたの話を聞きます」という傾聴の姿勢を明確に示せます。例えば「まず、お父様・お母様から、この頃の〇〇さんについて、学校へお伝えしておきたいことや、何か心配に感じていらっしゃることがあれば、ぜひ聞かせていただけますか?」「〇〇さん(生徒名)、担任の先生から見て、何か話したいことや、聞きたいことはあるかな?」など。

保護者が喜ぶ三者面談での雑談ネタ

三者面談の冒頭で保護者の緊張を和らげ、好印象を与えるための「保護者が喜ぶ雑談」のテーマと具体的な例をいくつかご紹介します。これらの雑談のポイントは「生徒の良い面」「保護者への気遣い」「共通の話題」に触れることです。

生徒の「学校での良い顔」に関する雑談

家庭では見せない、学校でのポジティブな一面を伝えることは、保護者を最も安心させ、喜びを感じさせる話題です。

周辺の「地域・共通の話題」に関する雑談

共通の話題は、教師と保護者の間の緊張を解きほぐし、親近感を生み出します。花壇の話、道路工事の話、新しくできたお店の話などを集めておくといいでしょう。

自分自身の学生時代や懇談話

先生が自らの中学校や高校時代の懇談話をするのも保護者から人気の話題です。こんなことで怒られました、こんな失敗したことがあって、など自分の過去のエピソードを思い出しておくといいですよ。

「共感を生む」ちょっとした学校の話題

保護者が「そうそう、家でもそうなんです」と共感できる、身近でポジティブな話題は会話が弾みます。例えば「最近、生徒の間で〇〇(SNSで流行っているもの、アニメ、ちょっとした学校のルール変更など)が話題で、みんな楽しそうにしています。〇〇さんからも何か聞かれますか?」とか、「この間、家庭科の授業で〇〇(調理実習など)をしたら、みんな『家でも作ります!』と目を輝かせていました。ご家庭でもぜひ試してみてくださいね。」など。

おわりに

面談シーズン、本当にお疲れ様です。三者面談は、先生にとって、子どもたち一人ひとりの未来を保護者の方と「共に見つめ、共に創る」大切な時間ですよね。事前の準備、資料作成、そして限られた時間の中で最善を尽くそうとする先生の姿勢に、心から敬意を表します。

面談では、様々な思いを持った保護者の方と向き合うため、きっと多くのエネルギーを使うことでしょう。どうか、次の3つのことを心に留めて、面談に臨んでください。

・先生の想いは必ず伝わります。 子どもたちを真剣に思い、日々の指導に情熱を注いでいる先生の誠実さは、保護者に必ず伝わります。テクニックよりも、「この子の成長を応援したい」という熱意を大切にしてください。

・先生は子どもたちの「最高の応援団長」です。 面談の主役は、不安を抱えながらも成長しようとしている子どもたちです。先生は、その子の良い点、頑張りを一番近くで知っている、最高の応援団長です。自信を持って、ポジティブな言葉を届けてください・

・完璧を目指さなくて大丈夫。 全ての不安を解消し、全ての問題を解決しようと、一人で背負い込む必要はありません。面談は「一緒に考え、協力していく」ためのスタートラインです。

面談が終わったら、頑張った自分を心から労い、温かい飲み物で一息ついてくださいね。

あなたの存在と頑張りが、子どもたちの未来を照らしています。応援しています!

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